『ビギニングアイドル』 シナリオ「モニターの向こうには」 作:平野累次 はじめに  このシナリオは、「アイドル戦国時代のアイドル」に憧れたセンターPCが、自らもアイドルとなってデビューするまでを描いたシナリオです。  本シナリオは、『ビギニングアイドル 基本ルールブック』に慣れるためのものです。 シナリオ概要 プレイヤー人数:2人から5人 ゲームモード:通常 対応ワールドセッティング:大手芸能プロダクション、弱小芸能プロダクション、情熱の夏、ぬくもりの冬 ティアラ・クラウン両対応 使用追加ルール:なし  作りたてのキャラクターを想定したシナリオです。 シナリオのあらすじ  数年前、センターPCはモニター越しに見る「アイドル」の姿を見て、釘付けになりました。  そして現在。センターPCはデビューを控えるアイドル候補生になりました。  サイドPCは、そんなセンターPCとユニットを組む仲間です。  PCたちは、一か月後に行われる「お披露目ライブ」に向けて、PCたちはレッスンをしつつ、各メディアでの露出をしていくことになります。  アイドル戦国時代が終焉したことにより、アイドルを取り巻く環境は変わっていますが、それでもセンターPCの想いは変わっていません。  このシナリオでは、センターPCが憧れた「モニターの向こう側の世界」に立つまでを描きます。 PCの立場  このシナリオでは、PC全員は「デビューを控えたアイドル候補生」となります。  結成の告知自体はオープニングフェイズで行います。  その後、PCたちはメディアなど(その内容はランダムイベントなどによって変化します)で活動を始めることになります。  そして、一週間後に「お披露目ライブ」を行う予定です。  センターPCは、黄金世代のアイドルを見て、憧れた人物です。  どんなアイドルに憧れたのかは、このシナリオでは決めていません。  プロデューサーとセンターPCのプレイヤーが相談をしながら決めてみましょう。特に思いつかない場合、175ページのワールドパートに書かれているアイドルたちを一人選んでみましょう。  センターPCのプレイヤーにプロデュースカード(後述)を渡すのを忘れずに行いましょう。  サポーターは、そんなPCたちを支えるスタッフやマネージャー、プロデューサーや友人などです。 オープニングフェイズ  PCたちは、「これから本格的にデビューをする」ユニットです。  そのことを念頭に置いて、ユニットシートを埋めていきましょう。  その後の自己紹介では、「デビューと同時に公開される、自己紹介動画の収録」というシチュエーションで行っていきましょう。 ●アイドルスタート  動画サイトにあるプロダクションの公式チャネルから、PCたちのユニットがデビューすることが告知され、その後PCたちの自己紹介動画が流れます。  さらに、一か月後にPCたちの「お披露目ライブ」が行われることが告知され、視聴率に向けて「新しい時代が来た」というような期待感を煽っています。  PCたちは、その動画を改めて見つつ、「一か月後に行われるお披露目ライブ」に向けて集中力を高めています。  キャラクターによっては、緊張をしていたり、武者震いをしていたり、その日を楽しみにしていたりするでしょう。  各キャラクターがどんな心境なのか、改めて描写していくとよいでしょう。  その中で、センターPCの心境を描く場合、「憧れのアイドルに近づいている」というところを描いていくとよいでしょう。  各キャラクターの心境を描いた後、PCたちは各自レッスンや、メディアでの露出を行っていくことになります(その内容はドラマフェイズで描かれることでしょう)。  このシナリオの【目標ボルテージ】は、サイドPCは「20」、センターPCは「25」です。 ●空白の決定  空白の決定を行う前に、センターPCの過去、アイドルに憧れていたときのことを描写していきます。  センターPCは、モニター(TVのモニターや街頭のモニター、携帯電話の画面など)越しにアイドルを見ています。  そのアイドルは、後に黄金世代と呼ばれた有名なアイドルでした。  センターPCはそのアイドルの一挙一動に心を惹かれ、夢中になっていました。  そして、「こうなりたい」と感じたのです。  それから時代が移り変わって、今度は自分がその夢をかなえるためにアイドルになりました。  デビューもしました。「正念場」であるお披露目ライブも間近に迫っています。  それだけに、思うところもあります。  このタイミングでプロデュースカード(「内容」は下記を参照してください)にある空白の内容を決定します。 ●このシナリオのプロデュースカード  自分はついに、憧れていたアイドルになれた。  だけど、アイドルを取り巻く環境はあの頃から変わってしまっていた。  プロダクションの人たちが自分たちのデビューを精一杯盛り上げようとしてるのがわかる。  それなのに、世間はどこか冷たい目で、新しくデビューしたアイドルに対して冷ややかだ。  自分が憧れたあの人のように、「      」で自分は世界を盛り上げることができるだろうか? ドラマフェイズ  PCたちは、一か月後のお披露目ライブに向けてレッスンをしたり、各メディアでの露出をしていったりすることになります。  ランダムイベントを使用して進行していきます。その中で「ライブなどの仕事を行う場合」は、先行的に行う小規模なものだと説明してください。  ドラマフェイズの1サイクル目終了時に、プロデューサーシーン「憧れは道しるべ」が発生します。 ●憧れは道しるべ  センターPCは、憧れのアイドルが過去に行ったライブの映像を見ています。  前にも見たことがある映像ですが、実際にアイドルになった自分の目から見ると違った印象を受けます。  パフォーマンスの技術なども見えてきて勉強になるのもそうですが、特に「表情」が違って見えます。  その表情は必死ながらも、どこか「楽しそう」に見えました。  「アイドルをやっていて、楽しい」そんな風に見て取れたのです。  その映像から、センターPCは力をもらえたような、そんな気がします。  センターPCのアイドルクラスが「マジメ」の場合、センターPCに「特訓」が1回発生します。  センターPCのアイドルクラスが「コメディ」の場合、センターPCは好きなPCを1人選びます。選ばれたPCはセンターPCに対する理解を得ます。  センターPCのアイドルクラスが「ほのぼの」または「ジーニアス」の場合、センターPCの【メンタル】が2D6点上昇します。  その後、このシーンを終了します。 駆け出しフェイズ  センターPCは、自分の抱えている「思うところ」を解消できないまま、あと数日前にまで迫ったお披露目ライブの練習をしています。  その内にある思いを仲間と共有したり、気にしなくしたり、あえて抱え込んで力に変えられるかどうかは、駆け出しフェイズの行為判定にかかっています。  成功することができれば、仲間たちとその問題について話し合ったり、不安を解消したり、乗り越えたりすることができるでしょう。  成功した場合、練習に身が入り、センターPCは自分だけの表現を身に付けることができます。 オンステージフェイズ  このシナリオのオンステージフェイズでは、PCたちのお披露目ライブを描きます。  お披露目ライブは、プロダクションが用意した特設ステージで行われます。場所はプロダクションがある市内の公園です。  この特設ステージがどれほどの規模なのかは、ワールドセッティングによって異なります。  弱小芸能プロダクションなら、「精一杯大きなステージを用意してくれた」とPCたちは感じます。  大手芸能プロダクションなら、「デビューしたての新人にしては、大きなステージで期待されている」とPCたちは感じます。  オンステージフェイズは、ルール通り進行していきます。使用するステージシートは、以下の「●このシナリオのステージシートの内容」を参照し、埋めてください。  「衣装」のとき、プロデューサーはPCたちのユニットテーマに合うような衣装ブランドを1つ選んでください。特に思いつかない場合は、「Angel kiss」になります。  衣装ブランドのコーデと、コンセントレーション後、ルールに従って各演目を進行していきます。  このシナリオの後半プレッシャーは「4D6」です。ルール通り、幕間になったら公開しましょう。 ●このシナリオのステージシートの内容  ・参加ユニット PCたちのユニット名が入ります ・活動内容 新ユニットお披露目ライブ ・会場 公園の特設ステージ ・前半プレッシャー 2D6 ・後半プレッシャー 4D6 (この値は幕間になるまでプレイヤーにはわかりません) ・特殊効果 なし ●開幕演目 ・演目名 開幕の一曲 ・指定特技 《集中力/才能4》 ・能力値 好きな能力値  この演目では、ステージ上に登場したPCたちが注目度の高い一曲を歌うところを描きます。 ●第一演目 ・演目名 ユニット挨拶 ・指定特技 《元気/キャラ8》 ・能力値 ボイス  この演目では、一曲を歌い終えたPCが、ユニットとしての挨拶を行います。 ●第二演目 ・演目名 ユニット紹介 ・指定特技 《気配り/才能9》 ・能力値 好きな能力値  この演目では、PCが改めてユニットを紹介していきます。 ●幕間  幕間では、ライブの休憩時間を描きます。 ●第三演目 ・演目名 カバーソング ・指定特技 《胆力/才能5》 ・能力値 ボイス  この演目では、まだ持ち歌が少ないPCたちが、先輩アイドルの曲や有名な曲をカバーします。 ●第四演目 ・演目名 MC ・指定特技 好きなキャラ分野の特技 ・能力値 ボイス  この演目では、MCを通じてPCたちが改めて自分たちの「キャラ」をアピールしていきます。 ●最終演目 ・演目名 最後の一曲 ・指定特技 好きな特技 ・能力値 好きな能力値  この演目では、お披露目ライブで行う最後の一曲を描いていきます。  最終演目が終了したところで、オンステージフェイズは終了し、リザルトフェイズに移ります。 リザルトフェイズ  センターPCが大成功している場合、センターPCは大きな歓声を受けて、「アイドルへの熱狂」を感じることができます。  センターPCが成功している場合、センターPCは目の前にいる観客たちの中から強い「憧れの視線」を感じました。  センターPCが失敗した場合、お披露目ライブは冷ややかな反応になりますが、それでもセンターPCは充実感を得ました。  いずれの場合でも、PCたちは「これから本楽的なアイドル生活」が始まることを感じつつ、お披露目ライブを終えます。  エピローグでは、ライブ後の各PCを描写していきましょう。  すべての処理を終了した後、このシナリオを終了します。お疲れ様でした。 IDOL MEMO ・「アイドルに憧れてアイドルになったPCが今の状況に戸惑いながらもがんばる」というお話です。 ・センターPCの戸惑いやもやもやがこのシナリオの鍵。その点をプレイヤーは「楽しく」演出していこう。 ・オンステージフェイズは王道のライブ。ライブの様子をプレイヤーみんなとプロデューサーで演出していこう! (C)2022 冒険企画局 (C)2022 平野累次