『ビギニングアイドル』 シナリオ「なんとなくだってアイドル」 作:平野累次 はじめに  このシナリオは、「なんとなくアイドルになってしまった」センターPCに、情熱的なファンからファッションショーの依頼が来てしまうというシナリオです。 シナリオ概要 プレイヤー人数:2人から5人 ゲームモード:通常 対応ワールドセッティング:「大自然」を除いたすべて クラウン・ティアラ両対応 使用追加ルール:なし シナリオのあらすじ  なんとなく状況に流されるままアイドルをやっているセンターPCに、衣装ブランドの依頼が来ます。  それは、ファッションショーの依頼でした。  それはとても情熱的な依頼で、センターPCはその熱量に戸惑うほどです。  アイドルに対していまいち情熱的でないセンターPCの心情と、そんなセンターPCを強く推す衣装ブランドとの「情熱の差」を描きつつ、その集大成であるファッションショーを描くシナリオです。 PCの立場  このシナリオでは、PC全員は「ある程度活動をしているアイドル」となります。  活動の甲斐もあって、ユニットメンバーの知名度は地元やアイドルの業界でそれなりに知られてきました。  そんな中、センターPCを指名した仕事がやって来ます。  センターPCは、「なんとなく」でアイドルになってしまったキャラクターです。  「背景」の内容もあってアイドルになったのは確かなのですが、それ以上に「状況に流されたり」、「他にやることがなかったり」してアイドルになってしまったと自覚しています。  そのことを念頭に置いて、このシナリオを進めていくことになります。  もし、それがキャラクターの設定と齟齬が出る場合、「自分がそう思い込んでいるだけで実際は違う」と解釈したり、「最近になってそう思い込むようになった」と解釈したり、別のキャラクターにセンターPCを交代したりしましょう。  センターPCのプレイヤーにプロデュースカード(後述)を渡すのを忘れずに行いましょう。  サポーターは、PCたちを支えるスタッフやマネージャー、プロデューサーや友人などです。 オープニングフェイズ  PCたちは、「デビューを終えて活動を開始している」ユニットです。  そのことを念頭に置いて、ユニットシートを埋めていきましょう。  自己紹介では、プロデューサーの考えるシチュエーションで行います。特に思いつかない場合は、「少し前に行ったライブでの自己紹介」という形で行いましょう。 ●アイドルスタート  センターPCを指名した仕事がやって来ます。  どうやら、仕事を依頼したのは衣装ブランドで、「とても情熱的なアプローチだった」とプロダクション(やアイドル部)のスタッフが言います。  なんでも、前回のライブで活躍をしたセンターPCにほれ込み、「その魅力を十分に引き出すファッションショー」を開催したいという話です。  どの衣装ブランドなのかは、プロデューサーが好きに1つ選んでください。この際、「PCのイメージと違うけど、似合いそうなブランド」を選びます。  既に専用の衣装も考えているとのことで、何通りかのイメージラフが送られてきています、かなりの「情熱」が伝わってきます。  サイドPCも、そのファッションショーの進行役や補助役となって、センターPCを支えることになります。  センターPCはこの仕事を受けるかどうか、決める必要があります(最終的にはオンステージフェイズで行うことになるのですが、戸惑いを表現するために保留をしたと演出することもできます)。  このシナリオの【目標ボルテージ】は、サイドPCは「15」、センターPCは「28」です。 ●空白の決定  空白の決定を行う前に、センターPCは「自分が何となく状況に流されてアイドルになってしまった」ことを描写していきます。  なので、アイドルに対して強い情熱を持つことができず、「うまくこなす」ことを目的にやっていたと感じます。  だというのに、そんな自分に対して強い情熱をぶつけられてしまったというところを描いていきましょう。  このタイミングでプロデュースカード(「内容」は下記を参照してください)にある、空白の内容を決定します。 ●このシナリオのプロデュースカード  自分はなんとなく、状況に流されてアイドルになってしまった。  そんな自分に、衣装ブランドから情熱的なアプローチがやってきた。相手は真剣だと、強く感じる。  戸惑っている。本当にこんな自分でいいのかを考えてしまう。渡されたイメージラフも、自分に似合わないと思ってしまう。  ファッションショーに向けて、自分に何ができるのかを改めて考える。  とりあえず、「      」を始めてみようか。 ドラマフェイズ  PCたちは普段の活動を行っていきます。  ランダムイベントを使用して進行していきます。  ドラマフェイズの1サイクル目終了時に、プロデューサーシーン「情熱のチケット」が発生します。 ●情熱のチケット  センターPCは、スタッフと一緒に衣装ブランドと打ち合わせに向かいます。  そこにはファッションショーの担当者がいて、「センターPCのよさ」を早口で語っていました。  どんな風に語っていたのかは、プロデューサーとプレイヤーで相談して決めてみましょう。  センターPC自身は、少し「言い過ぎ」な気もしましたが、褒め言葉だけだったので、嬉しくなって【メンタル】が4D6点上昇します。  それから打ち合わせに入ると、その担当者は次々とファッションショーや衣装のアイディアを口にします。  その情熱にセンターPCは気圧されながらも、その期待に応えなければいけないと感じます。  センターPCは《マイペース/キャラ4》で行為判定を行います。  成功すると、ほどよい緊張感を得ることができ、今後のレッスンにも力が入ります。センターPCに「特訓」が1回発生します。  失敗すると、変調「失敗への不安」が発生します。 駆け出しフェイズ  センターPCが、自ら抱えていた感情を整理し、今後の方針を決めていきます。  「理解ある仲間の登場」では、プロデュースカードの内容を察知したPCが登場します。  駆け出しフェイズの行為判定に成功することができれば、センターPCの心境が変化したり、「これはこれでいい」と思えるようになったり、自分のことが好きになったりするでしょう。  成功した場合、センターPCはやってきた「情熱」に負けないような、自分の強い気持ちを手に入れることができます。 オンステージフェイズ  このシナリオのオンステージフェイズでは、センターPCを中心にしたファッションショーを行います。  舞台は衣装ブランドが用意したステージで、そこでPCは様々な姿を見せていくことになります。  オンステージフェイズは、ルール通り進行していきます。使用するステージシートは、以下の「●このシナリオのステージシートの内容」を参照し、埋めてください。  「衣装」のとき、プロデューサーが選ぶ衣装ブランドは、「●アイドルスタート」で決定したものと同じです。  衣装ブランドのコーデと、コンセントレーション後、ルールに従って各演目を進行していきます。  このシナリオの後半プレッシャーは「4D6」です。ルール通り、幕間になったら公開しましょう。 ●このシナリオのステージシートの内容  ・参加ユニット PCたちのユニット名が入ります ・活動内容 衣装ブランドのファッションショー ・会場 衣装ブランドのステージ ・前半プレッシャー 2D6 ・後半プレッシャー 4D6 (この値は幕間になるまでプレイヤーにはわかりません) ・特殊効果 このフェイズの間、センターPCは【ビジュアル】が1点高いものとして扱う。 第二演目と第四演目はセンターPCが演者になる。 ●開幕演目 ・演目名 開幕のお披露目 ・指定特技 《おしゃれ/趣味5》 ・能力値 ビジュアル  この演目では、センターPCを中心に、衣装ブランドの衣装で着飾ったPCたちがステージに現れます。 ●第一演目 ・演目名 ランウェイ ・指定特技 好きな属性分野の特技 ・能力値 ビジュアル  この演目では、ステージのランウェイを歩きながら、ファッションモデルとして「衣装」をうまくアピールしていくことになります。 ●第二演目 ・演目名 新しいイメージ ・指定特技 センターPCが修得している特技を除いた好きな属性分野の特技 ・能力値 ビジュアル  この演目では、センターPCの新たなイメージを開花するような、「今まで着たことがない」タイプの格好をすることになります。  この演目はセンターPCが演者になります。他のPCは演者になれません。 ●幕間  幕間では、ファッションショーの休憩時間を描きます。 ●第三演目 ・演目名 もう一度ランウェイ ・指定特技 好きな属性分野の特技 ・能力値 ビジュアル  この演目では、再びステージのランウェイを歩くPCたちを描いていきます。 ●第四演目 ・演目名 更なる開花 ・指定特技 センターPCが修得している特技を除いた好きな属性分野の特技 ・能力値 ビジュアル  この演目では、センターPCの更なるイメージを開花するような、「今まで着たことがない」タイプの格好をすることになります。  第二演目とも違うイメージになるため、第二演目で使用した特技は指定特技に選ぶことができません。  この演目はセンターPCが演者になります。他のPCは演者になれません。 ●最終演目 ・演目名 ミニライブ ・指定特技 好きな特技 ・能力値 好きな能力値  この演目では、ファッションショーの余興として、PCたちのミニライブで歌を披露します。衣装ブランドが作ってくれた、この歌のための衣装を身に着けます。  最終演目が終了したところで、オンステージフェイズは終了し、リザルトフェイズに移ります。 リザルトフェイズ  センターPCが大成功している場合、センターPCの見せた「新たな一面」が話題となり、SNSなどでも注目されます。今後に期待されることでしょう。  センターPCが成功している場合、センターPCの「ファッション」は一部で話題になり、真似をする人々も出てきます。  センターPCが失敗した場合、センターPCは「挑戦をしたアイドル」として、業界内では話題になります。  エピローグでは、各PCの今後や、「自分たちのアイドルに対する情熱」を考えるような場面を描写していきましょう。  すべての処理を終了した後、このシナリオを終了します。お疲れ様でした。 IDOL MEMO ・なんとなくでアイドルをやっているセンターPCと衣装ブランドの「情熱の差」を描くシナリオです。 ・センターPCは、このシナリオを通じてかなり注目される立ち位置です。プレイヤーとプロデューサーは、その心情を描いていく手伝いをしましょう。 ・サイドPCは、「自分がもしあの立場だったら」という点を考えて立ち回り、「仲間として」どう対応できるかを考えていくとよいでしょう。 (C)2022 冒険企画局 (C)2022 平野累次