第6.5話 可能性 Level UP

フィリア
張り切って光と闇のレジェンドの世界に乗り込んだはいいですけど、あんまり活躍できなくてちょっともやってます〜。

ハリー
僕は、今回はプレイ開始にちょっと遅刻してしまったので・・・。

フィリア
あー、そうそう。そうだよね。
急に登場したから、びっくりしちゃった。

フィリア
ですよね〜。
私てっきり今回は『JAMES BOND 007』みたいにプレイヤーとGMの1on1プレイなのかと思っちゃってたので。

フィリア
TRPG好きならもちろん知ってますよ!

フィリア
1983年にアメリカのビクトリー・ゲームズさんが発売した『JAMES BOND 007』を1985年にホビージャパンさんが『ジェームズボンド007RPG』として発売した名作!

フィリア
それまで、国内ではあまり知られていなかった『ヒーローポイント』のルールが採用されたTRPGで、ダイスを振って能力値を決めるのではなく、与えられたポイントを割り振ってキャラクターメイキングをするタイプとしても先駆けだったと言われている作品ですから!

フィリア
さらにこのヒーローポイントに、より重点を置いてゲームシステムの核に据えたTRPGが、国産初の汎用TRPGと言われる『WARPS』で——

フィリア
——って、ああっ! すすす、すみません。
なんか話がそれちゃいましたね。

ハリー
凄いですね。フィリアさんのTRPG愛が猛烈に伝わってきましたよ。
このTRPG愛がフィリアさんの冒険への原動力に繋がっているんですね。

フィリア
そんな風に言われちゃうとなんかちょっと照れちゃいますけど・・・まぁ、そんなところです。
えへへへへ。

フィリア
そう言えば、ハリーくんは、これまでどんなTRPGをプレイしてきたんです?

ハリー
・・・え? 僕ですか? そうか・・・うん、そうですよね。
実は・・・TRPGをちゃんとプレイするのは今回が初めてなんですよ。

フィリア
ええっ! そうなの?
そのわりには、すっごくロールプレイ慣れしてる気がしたんだけど?

フィリア
あー、オンラインで遊ぶコンピューターRPG!

フィリア
なるほどなるほど。
確かに、オープンワールドのMMOとかだと、TRPGのオンラインセッションと感覚的にも似てますもんね。

フィリア
それでなんですね。ロールプレイも手馴れてると思いましたよ。
キャラのアバターやアクションがあるぶん、MMOの方がなりきりプレイってやりやすそうな気もしますし。

ハリー
まあそんな訳でして、TRPGはまだまだ初心者ですから、勉強させてもらってます。

ハリー
特にTRPGの場合、GMのルールに則ったうえで特別な対応なんかがあって面白いですよね。僕が剣を折っちゃったところなんて、なるほどこういう処理もあるのかって驚きましたよ。

フィリア
うんうん。コンピュータRPGで、剣の腹で強く打てば折れるなんてとこまでルール化してるの、見たことないですもんね〜。

フィリア
っても、TRPGでもそこまでルールに書かれてるってのは見たことないですけど(笑)。

ハリー
特別な処理や演出なんかが入るときは、MMOだとカットシーンとかが入ったりしてイベント処理することが多いですよね。

フィリア
ほえ〜。
TRPGだと、GMさんが気合いを入れた演技でその場のシーンを再現する感じですね。

フィリア
ふふっ。何か、似て非なるものって感じで、ちょっとした違いが面白いです。

ハリー
コンピュータゲーマーからすると、GMという立ち位置の人が、大勢のプレイヤーの行動をどんな風に制御して判定するのかとか、すごく興味があったんですよ。

ハリー
なので、そのあたりを勉強させてもらえればと思って、今回のプレイに参加させてもらったんです。

フィリア
ふ〜ん。それでかなぁ、ハリー君って、何ていうかな、論理的思考っていうのかな? そんなとこあるよね。

フィリア
居住棟の前での分析とかさ、カッコよかったもん。

ハリー
・・・そう面と向かって「カッコよかった」とか言われると照れ臭いですね(笑)。

フィリア
ふふっ。
TRPG愛が原動力発言のお返しですよ。
それでは、次の冒険に進む準備を始めようか。

フィリア
はーい!

ハリー
了解です。

フィリア
やったー!
残念ながら逃げられてしまったけど、それでも盗賊の下っ端7人を倒したので70点。
さらにランズの町まで無事・・・とはいかないまでも到着できたので30点が付与される。

フィリア
・・・と、いうことは、合計で200点だから!
フィリアとハリーはレベル2になった。

フィリア
わーいわーい!

フィリア
これで最大HPも1.5倍に!

フィリア
・・・って言っても、あの怪物みたいなのとまた戦うとなったら、まだちょっと心もとないですねぇ。

ハリー
そう言えば、師匠が受けた一撃のダメージってどのくらいだったんでしょうね?

フィリア
え! それ、言っちゃうんです?

ハリー
なるほど。ではGMが6の目を出したら、準騎士の鎧の防御力2を引いてダメージ10ということですね。レベル1の僕たちの最大HPが10ですから、最悪一撃でやられていた・・・と。

フィリア
うわ、それって戦いが長引いてたら一撃アウトもあったってことですよね?
シナリオ的には中ボスだったでしょうし・・・よく勝てたなぁ。

ハリー
もうひとつ質問です。
この[最大MP ( — )]となっているところなんですが・・・。

フィリア
お! ハリー君、いいところに気が付いたねぇ。
これはね——
それは、これからのお楽しみにしておこうよ。
ねっ?

フィリア
そ、そうですね!
うふふふふ。
続きが楽しみぃ〜。
レベルアップした二人は、今あるスキルのうちのひとつをサイコロ1個を振った出目分増やすか、新しいスキルをひとつ追加してサイコロ1個を振った出目の値にできる。

ハリー
新しいスキルを追加した場合、『力性』『動性』などのファクターの値はどうなるんですか?

ハリー
なるほど・・・つまりスキルの数が増えることで、キャラクターとしてのファクターが成長していって、スキルの値を増やすことで判定を有利にしていける訳ですね。

フィリア
ふふっ。
ハリーくん、そういうとこ。
そういうとこだよー(笑)。

ハリー
フィリアさん、指摘が鋭いなぁ(笑)。

フィリア
はいはーい!
私はですね、『樹学』を覚えるのです!
フィリアはすでに『知性』が[5]あるけど、さらに知性を伸ばすんだね。

フィリア
えへへへ〜。

フィリア
『黄昏の町エプリエル』で、シングとパールがいい雰囲気になった夜営の後、『樹学』を持ってたパールが薬草の素を集めて、『医術』を持ってるシングとパールで薬草に加工するシーンがあったじゃないですか!

フィリア
あれすごく「いいな〜」って思ってたんですよね。
でも・・・。

ハリー
ああ・・・そういうことですか。
これは申し訳なかったですね。
僕が『樹学』も『医術』も持ってないから・・・。

フィリア
違う違う、そんなつもりで言ったんじゃないよ。
私が勝手に妄想してただけだから。

ハリー
それならいいですよ。
フィリアさんの『医術』にあわせて僕が『樹学』を増やせば・・・。

フィリア
それはダメ!

フィリア
なんか視線で催促したみたいになっちゃったけど、ほんとにそんなつもりなかったんだよ。

フィリア
ハリー君は、ハリー君の意志でキャラクターを育ててほしいから!
だから私が『樹学』を増やすの!

フィリア
そうすれば、いつか私が作った薬草でハリー君を助けられる日が来るかもでしょ?

ハリー
ふふっ・・・了解しました。

フィリア
あー、今ハリー君「しょうがないなぁ」みたいな感じで笑ったでしょー!(笑)

ハリー
そんなことないですよ。
じゃあ何を育てようかな、と、ちょっとわくわくしただけですから。

フィリア
・・・ならいいんだけどさ?

フィリア
じゃあ私は『樹学』を増やして、サイコロ1個ふりまーす。

フィリア
・・・やったー! 5だぁ!!
フィリアは騎士になれなくても医者か薬屋さんになれそうだ。

フィリア
「騎士になれなくても」ってなんですかー!
私は今回の任務を達成して正騎士になるんですからねっ!!
アレンもブレンダも期待してるよ。

ハリー
そうですね・・・今回、索敵の重要性を改めて認識しましたので、『聴術』を取ろうと思います。

フィリア
確かに。
盗賊たちの時も、ハリー君が気付いてくれたもんね。

ハリー
はい・・・3です。
では、スキル『聴術』に[3]を記入して、ファクターの『細性』を4にしてくれ。
プレイを再開する前に、何か質問はあるかい?

ハリー
はい。質問があります。

ハリー
例えばなんですけど、MMOとかなら戦闘に負けたりキャラクターが死亡した場合って、何らかのデスペナルティを受けて拠点にリスポーンしたり、セーブした地点からの再開だったりするじゃないですか。

ハリー
TRPGの場合は、どうなるんでしょうか?
先ほど話した「ルールに則ったうえで特別な対応」みたいなものがあるんですか?
この先の展開に関することについては堪えられないけど、すでに終わった部分についてはいつくか答えられたらと思うよ。

フィリア
ふむふむ。
それ、TRPGルール編の95ページにも書いてありましたよね。
もうフィリアからどんな情報が飛び出してきても驚かないよ。

ハリー
・・・では、盗賊との戦闘は問題無かったとして、リアス湖から出現したクリスタルの怪物と戦って、勝てなかった場合はどうなったんでしょう?

フィリア
えっ!?
ハリー君、それ聞いちゃうの?
2)ハリーが死亡する。
3)アレンとハリーが死亡する。
・・・の3パターンなんだけど・・・。

ハリー
そうか、師匠が死亡する場合もあるんですよね。
師匠がそのまま殉職してたら、ショックだっただろうなぁ・・・。

フィリア
それって、最悪の場合ブレンダさんが「ここは私に任せてアンタたちは逃げな!」みたいな展開もあったりするんですか?

フィリア
はわわわわ。
何気にあれって、その後のプレイに大きな影響がある戦闘だったんですね。
この場合も、ブレンダとフィリアが合流した時点で撤退を決意する事になるだろうけど、展開的には2通りあったと思う。
これは、全滅のリスクがあるから、プレイヤー、特にその時であればフィリアがよほど頑なに戦闘を主張しない限りは、撤退する展開になったと思う。

フィリア
うんうん。
そっちの方が、私が欠片を調べようとした展開にうまく繋がりそうですもんね。

ハリー
今までのお話は、フィリアさんとブレンダさんが合流する前の話ですよね。
だとすると、お二人が合流した後に死者が出た場合の想定もしておくわけですよね?

ハリー
なるほど・・・それはなかなか複雑ですね。
撤退した後だって、砦に戻るのか、ランズの町に向かうのかの二択になりますよね?

フィリア
わわわわ。
GMさん大変だぁ。

ハリー
GMって、なかなか大変そうですね。
事前に準備をしたうえで、不測のに事態に備えて臨機応変に対応しなくちゃいけないんですから・・・。

ハリー
オープンワールドのMMOなんかでも、そのあたりのシナリオ制御がきちんとできていると「おっ!」って思ってしまいますよ。

ハリー
お話を聞いてみて、TRPGはオープンワルードMMOにとても性質がにているんだということが、理解できました。ありがとうございます。

フィリア
はい!
フィリア・マルチェス!!
引き続き頑張りま〜す!!

ハリー
よろしくお願いします。
