Ⅱ 小説『女護ヶ島』ができるまで……発想の逆転は必要だがお約束も無視できない
【前編】
スマホ越しのやりとりだけでは、やっぱり足りない。フェイスツーフェイスのコミュニケーションって、やっぱり必要なんだ。
とは言っても、俺も芽宮も、仕事の事は秘密にして高校生をやっている。『女護ヶ島』がどうとか『戦国ワルキューレ』がどうとか、誰かに聞かれるかも知れない場で話すのはいろいろとマズい。
だがな、そんな些細な問題は軽くクリアしてやるんだよ、俺を誰だと思っている? 夏休みが終わって、新学期になったのも丁度いい。あそこが使える。
「ようこそ、新聞部へ」
そう、新聞部の部室へ、彼女を招いた。
「はあ」
まだ不安そうな芽宮に笑ってあげる。
「大丈夫、ここの部員は、俺の仕事のことは知っている。もう2年以上、秘密は守ってくれてるから、口の堅さは保障する。昔はここに印刷機があって、すげえ五月蠅かったんで防音は完璧。外に声が漏れることはない。エアコンもついているからまだ暑い今でも快適だ」
「涼しいのは、いいですね」
芽宮はぐるりと部室を見渡す。そこそこ広いが、今いるのは五人、俺と芽宮に加えて、三年の編集長とメガネの女副編集長、二年が一人。パソコンのキーボードをポチポチと叩いたり、LEDディスプレイを睨んだり。お仕事中モードだ。
「お忙しそうですけど」
「まあ、ウチは学校新聞だけど、一応、日刊だからな。WEBだけで、紙にするのは特別な時だけだけど」
「わたし、お邪魔では?」
「気にしないで」
メガネの女副編集長が、ディスプレイから目を離さずに手を上げて告げた。
「後でいいから、橘華の名前でサインくれればありがたいけど。小3の従姉妹が多分喜ぶ。入手ルートは秘密と言っとけば問題ないでしょ?」
「はい、それくらいならやったことありますから。ありがとうございます」
「お礼はこっちのセリフ。おいこら、福地! ここレイアウトミス! 読みにくい!!」
「えー? どこっすか?」
とぼけた応えを返す二年。もう後は最終チェックだけだから皆のんびりしたものだ。
「『戦国ワルキューレ』って金曜夜の帯ドラマだよな? 撮影も毎週? 体操部もやってて、忙しいんじゃないの?」
編集長は暇そうだなおい。
「わたしの出番はアクションシーンだけみたいなものですから、撮影は休日だけにしていただいているんです。打ち合わせと本読みとかは夜になりますから、朝はちょっと眠いですね。でも、毎日じゃないんで」
まあ、高校生なんだからカントクもそのあたりは考えるよな。
ちなみに俺は毎日、休み時間と放課後、睡眠時間を削って『女護ヶ島』を書いている。編集長は俺の事を労るべきだと思う、なんて考えていたら、芽宮はいきなり切り込んできた。
「センパイ、センパイの考える橘華について、もっと聞かせてください。これからもっと頑張って、橘華を演じたいんです」
溢れる熱意が伝わってくる。うん、格好いいな。とは言え。
俺は演技については詳しくない。細かい事まで口出しするのは良くないだろうし、そもそもできない。俺だけの想いを好き勝手に口にするだけでは、芽宮やカントクの邪魔になるだけだろう。
「『戦国ワルキューレ』の橘華ってのは、もう俺から離れたオリジナルキャラみたいなものだからさ。あまり五月蠅いことは言いたくないんだけど」
「えっ……」
不安そうな顔になる芽宮。おっといかん。
「いや、別に文句があるわけじゃないから大丈夫! ただ、実写に関しては俺も知らない事だらけだからさ。俺としては、カントクや芽宮が持っている、橘華のキャラ観とか、演技プランとか、そういう現状をまず教えて欲しいんだ。なんか参考にした作品とかあるんじゃない? 俺は昔のも含めてけっこう映画とか、観るだけなら量はこなしてるからそういう知識はあるしさ」
「わかりました」
ふ、と視線を上げて記憶を辿る芽宮。
「橘華のわたし用という事じゃなくて、『戦国ワルキューレ』の先輩達、あ、この先輩は役者の先輩って事で、姫と護衛剣士役の皆さんの事ですけど、カントクから、演技とアクションの参考用と言って渡されたDVDがあります。その中でも『キル・ビル』とか『ワンダーウーマン』は、実はわたしも大好きで、子供の頃わくわくしながら観てた記憶があります」
うん、いい趣味だ。俺もそれ好き。
「あと、ゲームも渡されました。『NieR:Automata』と『ベヨネッタ』」
「あー、どれもまだ人気あるよね」
アクションゲームだ。生身の役者さんの動きを3Dスキャンで取り込んでいるから、参考になるだろうな、確かに。
「ああいうのけっこう難易度高いって聞くぞ? いきなり渡されてプレイできたの?」
編集長の質問に、芽宮は、はは、と笑う。
「一緒に、カントクがプレイした時の動画が付いてきまして。わたしは、主にそっちで」
大好きだもんなカントク、ああいうの。きっと自慢げだったに違いない。芽宮に通じたかどうかは知らないが。しかし。
「ゲームって、日本だけじゃなくてワールドワイドで人気だからな。ちょっと羨ましいよ」
「羨ましい、ですか?」
「ああ。俺の小説は日本語だから海外じゃ通じない。だけど、ゲームは、言ってみれば世界共通言語だ。面白いものは日本人がプレイしてもアメリカ人がプレイしても面白い。まあ、嗜好の違いはあるけどね。小説家としては、ゲーム屋さんが羨ましくなる事もある」
「ワールドワイド」
またちょっと考える芽宮。
「橘華じゃなくて、葵の話なんですが」
葵。姫の護衛の三戦士の一人。力自慢で無手格闘担当、という設定だ。
「葵役のリコ先輩が、志穂美悦子の再来、とか言われてて、すごく喜んでいて。ハリウッドでも有名になった、憧れの先輩らしいんですけど、私は名前ぐらいしか知らなくて。センパイは詳しいですか?」
おおっと、いきなり話が50年近く逆戻りしたぞ。平成生まれの俺には本来なら無理難題だ。
だが、ナメるなよ、芽宮。俺が一体、「格好良く戦う女の子」のために何本の作品を研究してきたと思っているんだ。
「アメリカでヒットしたのは、1974年の『女必殺拳』だな。前の年のブルース・リーの『燃えよドラゴン』でカンフー映画が大ブームになってたってのもあるけど、まだ19歳の志穂美悦子さんが主役って事でお客さんが熱狂した。俺もDVDで観たけど、うん、あれはいいアクションだったよ。俺にとっては理想の『格好良く戦う女の子』のひとつかもしれない」
「リコ先輩は? センパイも、志穂美悦子さんの再来だと思いますか?」
実写の葵、か。
江戸時代って設定で、『女必殺拳』みたいなカンフーアクションは不自然だから、『戦国ワルキューレ』ではカントクも役者さんもいろいろ工夫して、格好いい無手格闘になっているんじゃないかな?
「俺なんかが再来、とか言っちゃうのは志穂美さんにも、その、リコさんだっけ? にも失礼な話だと思うけど、うん、ちゃんと魅力的なキャラクターになってると思うし、リコさんはすごい役者だよな? 芽宮だってそう思ってるんだろ?」
「それは、もちろんです」
と言いながらも、どこか不満げなのはなんでなのかな、芽宮さん?
「……センパイは『格好良く戦う女の子』が理想なんですね? だから『女護ヶ島』を書いたし、『戦国ワルキューレ』にもそれを求めている」
まあ、ぶっちゃけるとそういうことだ。
「じゃあ、その理想の、想いの原点が知りたいです。センパイはどうして、『格好良く戦う女の子』が好きになったんですか?」
さすが芽宮だ。いいとこ攻めてくるなあ。そういう話、しちゃっていいの? もう俺、止まらなくなっちゃうよ。
いつ観たのかは定かじゃないのに、内容だけは覚えている、そんな映画だ。
ジャンルとしては西部劇、ウェスタン。主役はまだハイティーンの女の子。父親は町の保安官。小さな町なので保安官が一人で町の平和を守っている。凄腕のガンマンなのに公平かつ温厚な性格で住民の皆から尊敬されていた。
町に旅の女商人がやってくる。高そうな服を着ているが高飛車な事はなく、軽妙なセールストークで幌馬車に積みこんだ雑貨や食品の売り込みを始める。気を許し始める住民達。しかし保安官は不審なものを感じ、背後を洗った結果、彼女が盗賊団のボスであることを突き止める。この町の偵察をしているのだ。
保安官は彼女に告げる。君の正体は知っている。この町には君が欲しいものは何もない。このまま立ち去るのならば見逃そう、と。
「いい男だね、アンタ。それは、悪い話じゃないとアタシも思うよ。アタシもさ、そろそろ落ち着く所が欲しかったんだ。アタシとアンタで組もうよ。そして、この町をアタシ達のものにする。アンタはアタシが手に入る。アタシは町を手に入れる。いい取引じゃないかい?
ああ、断るんだ? 悲しいねぇ、辛いねぇ。アタシとしては一世一代の告白のつもりだったのに。でも、断られるだろうと思ってもいたよ。あんた、いい男だからさ。辛いけど、諦めるしかないね。
ちょっと泣きたい気分だからさ、向こうを向いていておくれよ。見られたくないんだ。みっともない泣き顔をさ」
保安官は女に背を向けてしまう。だが、同席していた娘は見ていた。女が、嘲笑しながらスカートをまくりあげ、太腿のホルスターから銃を抜くのを。
発砲。
娘は見ていた。父親が女に殺されるのを。
自分を選ばなかった男を殺して、それで気が済んだのか、女は町を出て行く。
残された娘は、復讐を誓う。だが、今のままの、お嬢様の自分では何も出来ない。町の住民達の力を借りて、身体を鍛え、銃の腕も磨くこと1年。ドレスを脱ぎ捨てて銃を持った彼女は旅に出る。
孤独な旅の末、ついに盗賊団を追い詰める。小娘が、とナメてかかってくる盗賊団をひとりまたひとりと撃ち殺し、女ボスと対峙。お互いに弾を撃ちつくし、ナイフファイトからつかみ合いの肉弾戦に至るラストファイトが忘れられない。娘の父親への想いと女ボスのプライドがぶつかりあう、美しくも凄絶な殺し合い。
「格好良く戦う女の子」の原点が何かと問われるならば、俺にとっては間違いなく、これだ。
そんな俺の語りを。
芽宮は前のめりになって聞いてくれている。嬉しい。
編集長は……ディスプレイのあっち側でがちゃかちゃぴこぴこ音がしている。ゲームやってやがるな。まあこの話、あいつにはうんざりされるくらいしているから、仕方ないっちゃ仕方ない。けど嬉しくない。
「主人公よりも女ボスの方が格好良いような?」
「あー。よくあるよねそういうのも。悪役の動機ってストレートだからさ。欲望に正直なのも格好良さだよな」
「でも、すごい面白そうです。アクションも気になります」
うん、芽宮はわかっててくれて嬉しいよ。編集長は「ふーん」くらいの反応だったし。
「タイトルは? ソフトは出てるんですか? 配信は?」
やっぱり気になるよな、そこは。
「ホント、物心つく前の記憶なんで」
俺はお手上げのポーズを取る。
「ストーリー以外、何も思い出せないんだ」
「でも、ネットで調べたり。あ、ウェスタン映画に詳しい人に聞けば」
「全部やったよ、そういうのは。
俺の親父は映画とか小説とか、マンガとかも、ジャンル問わず大好きでさ。家には本やDVDがたくさんあった。あの、女の子主役の西部劇がまた観たい、と思って家にあるDVDを全部観たけど、どれも違った。小説やマンガだったかも、と思って全部読んだけど。やっぱりない。
お小遣いが増えて、ネットも使えるようになって、芽宮が言うような事も全部やった。西部劇じゃない可能性も考えて他ジャンルも調べた。おかげでまあ、読書量はとんでもないことなって、今みたいに小説を書いて儲けられるだけの知識と筆力がついたから、いいけど。むしろ棚からぼた餅かな?」
「ないんですか? 似たような話とかのレベルでも? 仇討ちものはいろいろありますし、『キル・ビル』は女性主人公ですよね。殺されたのは父親じゃありませんけど」
「1本だけ、1965年の映画で『キャット・バルー』ってのがある。父親を殺された娘の仇討ちもの。西部劇」
「それじゃないですか」
「でもこれ、ミュージカルなんだ。一応、観てみたけど、違う。アクションものじゃなくてどたばたコメディ。もしかしたらこれが、って期待もあったから最初はガッカリで怒りすら感じたけど、思い返してみるとけっこうこれはこれで笑えるんじゃないか、とか思ってヘンな気分だったよ。俺の怒りを返せ! って感じ?」
ここで笑って欲しかったんだが。
「すみません、わたし、話が見えなくなってしまって。センパイの想いの原点の話だったと思うんです。その映画は、結局なんだったんですか?」
芽宮は笑ってない。真面目な顔だ。むしろ怒ってる?
「多分だけど。誰に聞いても知らないって言うし、ネットでも出てこないから。
ウェスタン映画とか、女の子主役のアクション映画とか観まくってた俺が、いろんな要素を組み合わせて頭の中で組み上げていた俺の理想の物語、なんじゃないか、と今では思ってる。
いやー、考えてみたら、まだ幼稚園児の時に、芽宮も面白そうって言ってくれるような物語を考えついてるなんて。我ながら自分の才能が」
「からかわないでください!」
役者さんのフルパワーのボイスの声量ってすごいな。
「えっ!? 何、何事!?」
編集長はゲームを中断してディスプレイの向こうから顔を出して俺と芽宮を交互に見ている。
「……すみません、大声出してしまって。
でもそんな、センパイの頭の中だけにしかない映画なんて、そんなのわたしが観る事はできないじゃないですか。そんな話をされても、からかわられているとしか思えません」
「いや、からかってなんて」
「はいはーい。悪いね、俺は途中から話聞いてなかったから、細かい事情はまったくわからないんだけどさ」
編集長は芽宮と俺の間に割って入った。
「宮城君。こいつはねー、自分が好きな事の話になると止まらない奴でさ。しかも相手の顔色をうかがう能力のないふざけた馬鹿でもある」
「おいこら」
「馬鹿はふざけて、時として人を傷つける可能性もある危険物だからさ。宮城君がからかわられて嫌だと感じるのなら、無理してそれに付き合う事はない。もうやめとく? こいつには俺がお仕置きして二度と君とは関わらないようにしとくから、後の事は気にしなくていい。
けど、こいつは、ふざけてはいるけれど、悪意をもって他人を貶めるようなふざけ方をする奴じゃないからさ。それだけは信じてくれないかな」
信じるラインが低すぎないか? 事故起こす前に壊れるから安全な車です、買わなくてもいいですよ、みたいな。
「……いえ、わたしがワガママ言ってかんしゃく起こしただけです。センパイには、まだ聞きたい事がたくさんあるんです」
「そ。じゃ一応、馬鹿は俺が見張っとくね」
編集長は俺の隣に座った。ゲームはいいのかよ。
「その物語がセンパイの理想なら」
芽宮は最初の、真面目格好いい表情に戻っている。
「なんでそれを書かないんですか、という事をわたしは言いたかっただけなんです。乱暴な言い方をしてごめんなさい」
ああ、そういう映画があるなら観たかった、だから怒ったのか。こんな面白い映画があるんだよー、でもゴメン、俺の妄想でした! って、そりゃ怒るわ。でもなー芽宮、俺だって観たいんだよ。
「書いてはみたんだよ。でも、とんでもなく詰まらないシロモノになっちまってさ」
「え? でもストーリーはあれでいいわけですし、センパイはプロになれる人なんですから」
「ストーリーがあっても小説になるわけじゃない。あれは書くのがとんでもなく難しい物語だった。俺の小説家としての実力じゃあ、カタチにすらならなかったんだ。
でも、俺は『格好良く戦う女の子』を諦めたくなかった。だから、俺の実力で書ける、別の物語を考えた。考えて考えて、書いて、できた。それが、『女護ヶ島』だ」
「それって……」
言いにくそうに、芽宮は俺から目をそらす。
「あの、違ったらごめんなさい、理想を諦めて『女護ヶ島』で妥協した、みたいにも聞こえるんですが」
いやいや、申し訳なさそうにすることはない。遠慮のない言い方は嫌いじゃない。
「もちろん違う。『女護ヶ島』は、今の俺が書けるベストの小説だという自負はもちろんある。妥協なんかしていない。『格好良く戦う女の子』のために今、俺が出来る事は全部やった。その結果が『女護ヶ島』だ」
「それはもちろん、わたしだって『女護ヶ島』は面白いと思います、原作の橘華が格好良いと思うから、わたしもそう思って貰えたらシアワセで。でも原作の橘華には届かないなと思う事もあって。
書けるじゃないですか、センパイは『女護ヶ島』が、なのに、その、理想の方の物語は書けない、それがわからないんです」
いや芽宮の橘華も、なかなかのものだと思うぞ、それと、そんなに読みたい? 言ってくれるのはありがたいけど。
「俺の、理想の方の……ああ、面倒くさいな、仮タイトルつけるか、『復讐のガンガール』な」
隣で編集長が、ダサッ、とつぶやく。うるせえよ。俺、タイトルセンスないんだよ。よく言われる。
「仮だよ、仮。『復讐のガンガール』って言う映画があって、さっきみたいなストーリーで宣伝されてたとして。おーい福地」
俺は仕事が終わってこっちを見ていた後輩に声をかけた。
「聞いてたろ? お前ならその映画、観に行くか?」
「いや」
福地は首を横に振った。
「行かないスね。詰まらなそう」
「えっ!?」
芽宮が慌ててフォローしようとする。
「わたしは行きますよ!? 面白そうって、わたし言いましたよね!?」
「うんそれは疑ってないから。大丈夫だから。でも福地はそう思わなかった。それは何でだ? 福地」
「何でも何も、デタラメすぎるでしょ、その映画」
うんざり、と言うように肩をすくめる福地。
「ちょっと調べればわかるほど有名な盗賊団の女ボスがうろついていて、父親だけはそれに気がつくんだけど、それを見逃そうとする? よくわからないけど、父親、保安官って町の治安責任者なんですよね? 国の治安どうなってるんだってのと、保安官なのに無責任過ぎやしませんか? で、結局、殺される、娘である主人公が復讐を誓う。いやいや、復讐って、何言ってるって驚きっスよ、そこは通報でしょ。法に任せなきゃいけないでしょ、保安官の娘なら、守らなきゃそういう秩序を。父親を殺されたから相手を殺していいってどういう無法世界ッスか、開拓時代のアメリカは? 日本の仇討ちにだって、法的に厳しい制約がちゃんとあって勝手に出来なかったって聞きますよ。人が人を殺すっていうのをホイホイやってちゃ、あっという間に文明社会は崩壊しますよ。未成年の女の子のワガママで許される範囲を超えてるっス。
で、その復讐のために? 一年間銃の腕を磨いて? その間、殺人犯は野放しッスか? 他の町で被害が出たら責任取れるんスかね。
問題ありすぎでしょ。シナリオ、もういろいろガバガバ過ぎ。詰まらないってのは、そういう事っス」
とは言っても、俺も芽宮も、仕事の事は秘密にして高校生をやっている。『女護ヶ島』がどうとか『戦国ワルキューレ』がどうとか、誰かに聞かれるかも知れない場で話すのはいろいろとマズい。
だがな、そんな些細な問題は軽くクリアしてやるんだよ、俺を誰だと思っている? 夏休みが終わって、新学期になったのも丁度いい。あそこが使える。
「ようこそ、新聞部へ」
そう、新聞部の部室へ、彼女を招いた。
「はあ」
まだ不安そうな芽宮に笑ってあげる。
「大丈夫、ここの部員は、俺の仕事のことは知っている。もう2年以上、秘密は守ってくれてるから、口の堅さは保障する。昔はここに印刷機があって、すげえ五月蠅かったんで防音は完璧。外に声が漏れることはない。エアコンもついているからまだ暑い今でも快適だ」
「涼しいのは、いいですね」
芽宮はぐるりと部室を見渡す。そこそこ広いが、今いるのは五人、俺と芽宮に加えて、三年の編集長とメガネの女副編集長、二年が一人。パソコンのキーボードをポチポチと叩いたり、LEDディスプレイを睨んだり。お仕事中モードだ。
「お忙しそうですけど」
「まあ、ウチは学校新聞だけど、一応、日刊だからな。WEBだけで、紙にするのは特別な時だけだけど」
「わたし、お邪魔では?」
「気にしないで」
メガネの女副編集長が、ディスプレイから目を離さずに手を上げて告げた。
「後でいいから、橘華の名前でサインくれればありがたいけど。小3の従姉妹が多分喜ぶ。入手ルートは秘密と言っとけば問題ないでしょ?」
「はい、それくらいならやったことありますから。ありがとうございます」
「お礼はこっちのセリフ。おいこら、福地! ここレイアウトミス! 読みにくい!!」
「えー? どこっすか?」
とぼけた応えを返す二年。もう後は最終チェックだけだから皆のんびりしたものだ。
「『戦国ワルキューレ』って金曜夜の帯ドラマだよな? 撮影も毎週? 体操部もやってて、忙しいんじゃないの?」
編集長は暇そうだなおい。
「わたしの出番はアクションシーンだけみたいなものですから、撮影は休日だけにしていただいているんです。打ち合わせと本読みとかは夜になりますから、朝はちょっと眠いですね。でも、毎日じゃないんで」
まあ、高校生なんだからカントクもそのあたりは考えるよな。
ちなみに俺は毎日、休み時間と放課後、睡眠時間を削って『女護ヶ島』を書いている。編集長は俺の事を労るべきだと思う、なんて考えていたら、芽宮はいきなり切り込んできた。
「センパイ、センパイの考える橘華について、もっと聞かせてください。これからもっと頑張って、橘華を演じたいんです」
溢れる熱意が伝わってくる。うん、格好いいな。とは言え。
俺は演技については詳しくない。細かい事まで口出しするのは良くないだろうし、そもそもできない。俺だけの想いを好き勝手に口にするだけでは、芽宮やカントクの邪魔になるだけだろう。
「『戦国ワルキューレ』の橘華ってのは、もう俺から離れたオリジナルキャラみたいなものだからさ。あまり五月蠅いことは言いたくないんだけど」
「えっ……」
不安そうな顔になる芽宮。おっといかん。
「いや、別に文句があるわけじゃないから大丈夫! ただ、実写に関しては俺も知らない事だらけだからさ。俺としては、カントクや芽宮が持っている、橘華のキャラ観とか、演技プランとか、そういう現状をまず教えて欲しいんだ。なんか参考にした作品とかあるんじゃない? 俺は昔のも含めてけっこう映画とか、観るだけなら量はこなしてるからそういう知識はあるしさ」
「わかりました」
ふ、と視線を上げて記憶を辿る芽宮。
「橘華のわたし用という事じゃなくて、『戦国ワルキューレ』の先輩達、あ、この先輩は役者の先輩って事で、姫と護衛剣士役の皆さんの事ですけど、カントクから、演技とアクションの参考用と言って渡されたDVDがあります。その中でも『キル・ビル』とか『ワンダーウーマン』は、実はわたしも大好きで、子供の頃わくわくしながら観てた記憶があります」
うん、いい趣味だ。俺もそれ好き。
「あと、ゲームも渡されました。『NieR:Automata』と『ベヨネッタ』」
「あー、どれもまだ人気あるよね」
アクションゲームだ。生身の役者さんの動きを3Dスキャンで取り込んでいるから、参考になるだろうな、確かに。
「ああいうのけっこう難易度高いって聞くぞ? いきなり渡されてプレイできたの?」
編集長の質問に、芽宮は、はは、と笑う。
「一緒に、カントクがプレイした時の動画が付いてきまして。わたしは、主にそっちで」
大好きだもんなカントク、ああいうの。きっと自慢げだったに違いない。芽宮に通じたかどうかは知らないが。しかし。
「ゲームって、日本だけじゃなくてワールドワイドで人気だからな。ちょっと羨ましいよ」
「羨ましい、ですか?」
「ああ。俺の小説は日本語だから海外じゃ通じない。だけど、ゲームは、言ってみれば世界共通言語だ。面白いものは日本人がプレイしてもアメリカ人がプレイしても面白い。まあ、嗜好の違いはあるけどね。小説家としては、ゲーム屋さんが羨ましくなる事もある」
「ワールドワイド」
またちょっと考える芽宮。
「橘華じゃなくて、葵の話なんですが」
葵。姫の護衛の三戦士の一人。力自慢で無手格闘担当、という設定だ。
「葵役のリコ先輩が、志穂美悦子の再来、とか言われてて、すごく喜んでいて。ハリウッドでも有名になった、憧れの先輩らしいんですけど、私は名前ぐらいしか知らなくて。センパイは詳しいですか?」
おおっと、いきなり話が50年近く逆戻りしたぞ。平成生まれの俺には本来なら無理難題だ。
だが、ナメるなよ、芽宮。俺が一体、「格好良く戦う女の子」のために何本の作品を研究してきたと思っているんだ。
「アメリカでヒットしたのは、1974年の『女必殺拳』だな。前の年のブルース・リーの『燃えよドラゴン』でカンフー映画が大ブームになってたってのもあるけど、まだ19歳の志穂美悦子さんが主役って事でお客さんが熱狂した。俺もDVDで観たけど、うん、あれはいいアクションだったよ。俺にとっては理想の『格好良く戦う女の子』のひとつかもしれない」
「リコ先輩は? センパイも、志穂美悦子さんの再来だと思いますか?」
実写の葵、か。
江戸時代って設定で、『女必殺拳』みたいなカンフーアクションは不自然だから、『戦国ワルキューレ』ではカントクも役者さんもいろいろ工夫して、格好いい無手格闘になっているんじゃないかな?
「俺なんかが再来、とか言っちゃうのは志穂美さんにも、その、リコさんだっけ? にも失礼な話だと思うけど、うん、ちゃんと魅力的なキャラクターになってると思うし、リコさんはすごい役者だよな? 芽宮だってそう思ってるんだろ?」
「それは、もちろんです」
と言いながらも、どこか不満げなのはなんでなのかな、芽宮さん?
「……センパイは『格好良く戦う女の子』が理想なんですね? だから『女護ヶ島』を書いたし、『戦国ワルキューレ』にもそれを求めている」
まあ、ぶっちゃけるとそういうことだ。
「じゃあ、その理想の、想いの原点が知りたいです。センパイはどうして、『格好良く戦う女の子』が好きになったんですか?」
さすが芽宮だ。いいとこ攻めてくるなあ。そういう話、しちゃっていいの? もう俺、止まらなくなっちゃうよ。
いつ観たのかは定かじゃないのに、内容だけは覚えている、そんな映画だ。
ジャンルとしては西部劇、ウェスタン。主役はまだハイティーンの女の子。父親は町の保安官。小さな町なので保安官が一人で町の平和を守っている。凄腕のガンマンなのに公平かつ温厚な性格で住民の皆から尊敬されていた。
町に旅の女商人がやってくる。高そうな服を着ているが高飛車な事はなく、軽妙なセールストークで幌馬車に積みこんだ雑貨や食品の売り込みを始める。気を許し始める住民達。しかし保安官は不審なものを感じ、背後を洗った結果、彼女が盗賊団のボスであることを突き止める。この町の偵察をしているのだ。
保安官は彼女に告げる。君の正体は知っている。この町には君が欲しいものは何もない。このまま立ち去るのならば見逃そう、と。
「いい男だね、アンタ。それは、悪い話じゃないとアタシも思うよ。アタシもさ、そろそろ落ち着く所が欲しかったんだ。アタシとアンタで組もうよ。そして、この町をアタシ達のものにする。アンタはアタシが手に入る。アタシは町を手に入れる。いい取引じゃないかい?
ああ、断るんだ? 悲しいねぇ、辛いねぇ。アタシとしては一世一代の告白のつもりだったのに。でも、断られるだろうと思ってもいたよ。あんた、いい男だからさ。辛いけど、諦めるしかないね。
ちょっと泣きたい気分だからさ、向こうを向いていておくれよ。見られたくないんだ。みっともない泣き顔をさ」
保安官は女に背を向けてしまう。だが、同席していた娘は見ていた。女が、嘲笑しながらスカートをまくりあげ、太腿のホルスターから銃を抜くのを。
発砲。
娘は見ていた。父親が女に殺されるのを。
自分を選ばなかった男を殺して、それで気が済んだのか、女は町を出て行く。
残された娘は、復讐を誓う。だが、今のままの、お嬢様の自分では何も出来ない。町の住民達の力を借りて、身体を鍛え、銃の腕も磨くこと1年。ドレスを脱ぎ捨てて銃を持った彼女は旅に出る。
孤独な旅の末、ついに盗賊団を追い詰める。小娘が、とナメてかかってくる盗賊団をひとりまたひとりと撃ち殺し、女ボスと対峙。お互いに弾を撃ちつくし、ナイフファイトからつかみ合いの肉弾戦に至るラストファイトが忘れられない。娘の父親への想いと女ボスのプライドがぶつかりあう、美しくも凄絶な殺し合い。
「格好良く戦う女の子」の原点が何かと問われるならば、俺にとっては間違いなく、これだ。
そんな俺の語りを。
芽宮は前のめりになって聞いてくれている。嬉しい。
編集長は……ディスプレイのあっち側でがちゃかちゃぴこぴこ音がしている。ゲームやってやがるな。まあこの話、あいつにはうんざりされるくらいしているから、仕方ないっちゃ仕方ない。けど嬉しくない。
「主人公よりも女ボスの方が格好良いような?」
「あー。よくあるよねそういうのも。悪役の動機ってストレートだからさ。欲望に正直なのも格好良さだよな」
「でも、すごい面白そうです。アクションも気になります」
うん、芽宮はわかっててくれて嬉しいよ。編集長は「ふーん」くらいの反応だったし。
「タイトルは? ソフトは出てるんですか? 配信は?」
やっぱり気になるよな、そこは。
「ホント、物心つく前の記憶なんで」
俺はお手上げのポーズを取る。
「ストーリー以外、何も思い出せないんだ」
「でも、ネットで調べたり。あ、ウェスタン映画に詳しい人に聞けば」
「全部やったよ、そういうのは。
俺の親父は映画とか小説とか、マンガとかも、ジャンル問わず大好きでさ。家には本やDVDがたくさんあった。あの、女の子主役の西部劇がまた観たい、と思って家にあるDVDを全部観たけど、どれも違った。小説やマンガだったかも、と思って全部読んだけど。やっぱりない。
お小遣いが増えて、ネットも使えるようになって、芽宮が言うような事も全部やった。西部劇じゃない可能性も考えて他ジャンルも調べた。おかげでまあ、読書量はとんでもないことなって、今みたいに小説を書いて儲けられるだけの知識と筆力がついたから、いいけど。むしろ棚からぼた餅かな?」
「ないんですか? 似たような話とかのレベルでも? 仇討ちものはいろいろありますし、『キル・ビル』は女性主人公ですよね。殺されたのは父親じゃありませんけど」
「1本だけ、1965年の映画で『キャット・バルー』ってのがある。父親を殺された娘の仇討ちもの。西部劇」
「それじゃないですか」
「でもこれ、ミュージカルなんだ。一応、観てみたけど、違う。アクションものじゃなくてどたばたコメディ。もしかしたらこれが、って期待もあったから最初はガッカリで怒りすら感じたけど、思い返してみるとけっこうこれはこれで笑えるんじゃないか、とか思ってヘンな気分だったよ。俺の怒りを返せ! って感じ?」
ここで笑って欲しかったんだが。
「すみません、わたし、話が見えなくなってしまって。センパイの想いの原点の話だったと思うんです。その映画は、結局なんだったんですか?」
芽宮は笑ってない。真面目な顔だ。むしろ怒ってる?
「多分だけど。誰に聞いても知らないって言うし、ネットでも出てこないから。
ウェスタン映画とか、女の子主役のアクション映画とか観まくってた俺が、いろんな要素を組み合わせて頭の中で組み上げていた俺の理想の物語、なんじゃないか、と今では思ってる。
いやー、考えてみたら、まだ幼稚園児の時に、芽宮も面白そうって言ってくれるような物語を考えついてるなんて。我ながら自分の才能が」
「からかわないでください!」
役者さんのフルパワーのボイスの声量ってすごいな。
「えっ!? 何、何事!?」
編集長はゲームを中断してディスプレイの向こうから顔を出して俺と芽宮を交互に見ている。
「……すみません、大声出してしまって。
でもそんな、センパイの頭の中だけにしかない映画なんて、そんなのわたしが観る事はできないじゃないですか。そんな話をされても、からかわられているとしか思えません」
「いや、からかってなんて」
「はいはーい。悪いね、俺は途中から話聞いてなかったから、細かい事情はまったくわからないんだけどさ」
編集長は芽宮と俺の間に割って入った。
「宮城君。こいつはねー、自分が好きな事の話になると止まらない奴でさ。しかも相手の顔色をうかがう能力のないふざけた馬鹿でもある」
「おいこら」
「馬鹿はふざけて、時として人を傷つける可能性もある危険物だからさ。宮城君がからかわられて嫌だと感じるのなら、無理してそれに付き合う事はない。もうやめとく? こいつには俺がお仕置きして二度と君とは関わらないようにしとくから、後の事は気にしなくていい。
けど、こいつは、ふざけてはいるけれど、悪意をもって他人を貶めるようなふざけ方をする奴じゃないからさ。それだけは信じてくれないかな」
信じるラインが低すぎないか? 事故起こす前に壊れるから安全な車です、買わなくてもいいですよ、みたいな。
「……いえ、わたしがワガママ言ってかんしゃく起こしただけです。センパイには、まだ聞きたい事がたくさんあるんです」
「そ。じゃ一応、馬鹿は俺が見張っとくね」
編集長は俺の隣に座った。ゲームはいいのかよ。
「その物語がセンパイの理想なら」
芽宮は最初の、真面目格好いい表情に戻っている。
「なんでそれを書かないんですか、という事をわたしは言いたかっただけなんです。乱暴な言い方をしてごめんなさい」
ああ、そういう映画があるなら観たかった、だから怒ったのか。こんな面白い映画があるんだよー、でもゴメン、俺の妄想でした! って、そりゃ怒るわ。でもなー芽宮、俺だって観たいんだよ。
「書いてはみたんだよ。でも、とんでもなく詰まらないシロモノになっちまってさ」
「え? でもストーリーはあれでいいわけですし、センパイはプロになれる人なんですから」
「ストーリーがあっても小説になるわけじゃない。あれは書くのがとんでもなく難しい物語だった。俺の小説家としての実力じゃあ、カタチにすらならなかったんだ。
でも、俺は『格好良く戦う女の子』を諦めたくなかった。だから、俺の実力で書ける、別の物語を考えた。考えて考えて、書いて、できた。それが、『女護ヶ島』だ」
「それって……」
言いにくそうに、芽宮は俺から目をそらす。
「あの、違ったらごめんなさい、理想を諦めて『女護ヶ島』で妥協した、みたいにも聞こえるんですが」
いやいや、申し訳なさそうにすることはない。遠慮のない言い方は嫌いじゃない。
「もちろん違う。『女護ヶ島』は、今の俺が書けるベストの小説だという自負はもちろんある。妥協なんかしていない。『格好良く戦う女の子』のために今、俺が出来る事は全部やった。その結果が『女護ヶ島』だ」
「それはもちろん、わたしだって『女護ヶ島』は面白いと思います、原作の橘華が格好良いと思うから、わたしもそう思って貰えたらシアワセで。でも原作の橘華には届かないなと思う事もあって。
書けるじゃないですか、センパイは『女護ヶ島』が、なのに、その、理想の方の物語は書けない、それがわからないんです」
いや芽宮の橘華も、なかなかのものだと思うぞ、それと、そんなに読みたい? 言ってくれるのはありがたいけど。
「俺の、理想の方の……ああ、面倒くさいな、仮タイトルつけるか、『復讐のガンガール』な」
隣で編集長が、ダサッ、とつぶやく。うるせえよ。俺、タイトルセンスないんだよ。よく言われる。
「仮だよ、仮。『復讐のガンガール』って言う映画があって、さっきみたいなストーリーで宣伝されてたとして。おーい福地」
俺は仕事が終わってこっちを見ていた後輩に声をかけた。
「聞いてたろ? お前ならその映画、観に行くか?」
「いや」
福地は首を横に振った。
「行かないスね。詰まらなそう」
「えっ!?」
芽宮が慌ててフォローしようとする。
「わたしは行きますよ!? 面白そうって、わたし言いましたよね!?」
「うんそれは疑ってないから。大丈夫だから。でも福地はそう思わなかった。それは何でだ? 福地」
「何でも何も、デタラメすぎるでしょ、その映画」
うんざり、と言うように肩をすくめる福地。
「ちょっと調べればわかるほど有名な盗賊団の女ボスがうろついていて、父親だけはそれに気がつくんだけど、それを見逃そうとする? よくわからないけど、父親、保安官って町の治安責任者なんですよね? 国の治安どうなってるんだってのと、保安官なのに無責任過ぎやしませんか? で、結局、殺される、娘である主人公が復讐を誓う。いやいや、復讐って、何言ってるって驚きっスよ、そこは通報でしょ。法に任せなきゃいけないでしょ、保安官の娘なら、守らなきゃそういう秩序を。父親を殺されたから相手を殺していいってどういう無法世界ッスか、開拓時代のアメリカは? 日本の仇討ちにだって、法的に厳しい制約がちゃんとあって勝手に出来なかったって聞きますよ。人が人を殺すっていうのをホイホイやってちゃ、あっという間に文明社会は崩壊しますよ。未成年の女の子のワガママで許される範囲を超えてるっス。
で、その復讐のために? 一年間銃の腕を磨いて? その間、殺人犯は野放しッスか? 他の町で被害が出たら責任取れるんスかね。
問題ありすぎでしょ。シナリオ、もういろいろガバガバ過ぎ。詰まらないってのは、そういう事っス」
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